2012年4月12日木曜日

古代のメソポタミア:初期農耕牧畜民(14)埋葬と儀礼



『出典』図説世界文化地理大百科:古代のメソポタミア・33~34頁
     マイケル・ローフ著・松谷敏雄監訳
     朝倉書店

 古代のメソポタミア:初期農耕牧畜民

 《新石器時代の村
 「新石器時代の村

 《埋葬と儀礼
 「埋葬と儀礼

 無土器新石器代の死者の送り方は地域によって異なっていた。

 頭のない人骨(下顎かついていることもしばしばある)が床下に埋められ、

 頭部はまとめて別のところに埋葬されることがよくあった。

 こうした頭部の別葬は原新石器時代にも行われてい尤ものである。

 無土器新石器時代には、この方式が

 パレスティナ、レウアミント地方の多くの遺跡で一般的なものとなり、

 遠くアナトリア高原のハジラル、ティグリス川水源近くのチヤユヌでも行われていた。

 頭骨に飾り力づいていることもあった。

 鋭い刃物で削った例や、赤色緒土や天然アスファルトを塗ったものもあった。

 また、数は少ないが、目のところに貝を埋めこんで漆喰で顔をつくることもあった。

 そうや⊃て念入りに装飾された頭骨が

 イェリコ、テル・ラマド、ペイサムン、アイン・ガザルで出土している。

 この種の儀礼は一種の祖先信仰を衣していると考えられている。

 祖先が死後も残されたものに対して強い影響を及ばすため、

 祈りや犠牲を捧げることによって鎮めねばならないと

 信じられていたのだとされている。

 チャユヌではこうした儀礼に関係した建物が三つ同定されている。

 一つは犠牲用に使われたらしく、もう一つからは、

 多くの人間の頭骨がいくつかの雄ウシの頭骨とともにみつかっている。

 動物の頭骨はザグロスのガンジ・ダレ

 北イラクのネムリク遺跡からも発見されており、

 それらは建物の壁に備え付けられていた。

 同様の行為は原新石器時代のムレイビト遺跡

 時代は下るがチャタル・フユクの神殿でも行われていたらしい。

 さらにイラン山岳部では、現在もつづけられている。

 ヨルダしのアイン・ガザルで土坑が発掘されたところ、

 なかから男女の大きな人形が出土した。

 それらは葦を芯にして粘土でつくったものであった。

 宗教的儀礼に使われたものらしく、

 同様のものはイェリコや、死海の南西、ヨルダン砂漠にある

 ナハル・ヘマル洞窟からも出土している。

 ナハル・ヘマル洞窟からは人面をかたどった石製マスク、木材と粘土でつくった人の頭、

 さらに天然アスファルトで編み目状の飾りをつけた人の頭骨も出土している。

 編み目は髪をあんだ状態を表レているのだろう。

 これらの品物は、おそらく土着の宗教と関係したものと思われる。

 具象的な芸術作品はナトゥーフ期以降にみつかるが、

 無土器新石器時代にはいうそう一般的になった。

 ネムリク遺跡からは鳥、動物、人間をかたどった石製彫刻が15点みつかっている。

 土偶もよくみられ、とくに女性を表現したものが多い。
 
 ボクラスでは鳥が並んでいるさまを描いた壁面が残っていた。

 言語復原史学会
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 『参照ブログ』
 古代メソポタミア
 ウワイト(倭人):大学講義録
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 《参考》
 古代時代の考古学の最新発見・発表・研究成果
 最新の考古学的発掘の方法
 存在価値が問われる我が国の発掘考古学の現状

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