2012年2月26日日曜日

古代のメソポタミア:初期農耕牧畜民(10)《ナトウーフ期と同時代の諸文化》



『出典』図説世界文化地理大百科:古代のメソポタミア・27~30頁
     マイケル・ローフ著・松谷敏雄監訳
     朝倉書店

 古代のメソポタミア:初期農耕牧畜民

 ナトウーフ期と同時代の諸文化

 ザクロス山脈およびその山麓部の文化については、

 ナトウーフ文化ほどにはわかっておらず、

 調査された遺跡もごくわわずかしかない。

 サグロスの遺跡でみつかっているフリント石器は

 レヴァント地方のものと似ており、

 さまざまな動植物を利用していた狩猟採集民が残したものと考えられる。

 しかしながら、

 磨石の利用や開地への集落の移動は西方の地域よりも遅れて始まったようだ。

 北東イラクの開地遺跡サウイ・チェミでの調査によれば、

 前1万年頃には、この遺跡の人たちも磨石を用い、

 円形住居に住み始めたようである。

 レヴァント地方ナトウーフ文化同様、

 墓には個人的な装飾品などを副葬していた。

 シャニダールではこの時期の墓地がみつかている。

 この洞窟はもっと古いネアンデルタール人骨で勇名なところだが、

 この墓地からは26基もの墓が発見された。

 このなかには1500もの小さなビーズを頭にまいた子供の墓や、

 フリントの刃を骨製の柄に天然アスファルトで装着した

 ナイフが添えられられていた女性の墓などあった。

 シャニダール洞窟に埋葬されていた成人人骨には、

 子供の骨がともなっていることがしばしばあった。

 これを人身御供と考える人もいる。

 ザウイ・チェミからは一群の奇妙なものが出土している。

 15頭分のヤギの頭骨、17羽ほどの大形の猛禽類(ほとんどがオジロワシ)の

 骨がまとまって出土したのである。

 鳥骨の大半は翼のもので、しっかりくつついているものもいくつかあった。 

 骨についている傷をみると、翼は切り落とされたものらしい。

 鳥の翼とヤギの頭を身にまとってなんらかの魔術的儀礼が

 とり行われていた可能性もあろう。

 もっと時代は後になるが、

 チャタル・フュクの壁面にそうした情景か描かれている例がある。

 『参考』
 『言語復原史学会:Web』
 『言語復原史学会:画像』 
        
 『検索』
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 《参考》
 古代時代の考古学の最新発見・発表・研究成果
 最新の考古学的発掘の方法
 存在価値が問われる我が国の発掘考古学の現状  

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