2012年2月17日金曜日

古代のメソポタミア:初期農耕牧畜民(2)



『出典』図説世界文化地理大百科:古代のメソポタミア・18~27頁
マイケル・ローフ著・松谷敏雄監訳
朝倉書店

古代のメソポタミア:初期農耕牧畜民
古代のメソポタミア:初期農耕牧畜民
古代のメソポタミア:初期農耕牧畜民

初期農耕牧畜民(前1万2000~7000年)

《近東の地理》

食料の供給は人が生活するのに不可欠のものであるが、

自然環境や土地ごとの地理に左右されるところが大きい。

近東は五つの海をもつ土地と呼ばれているとおり、

地中海、黒海、力スピ海、ぺルシア湾、紅海に囲まれている。

しかしながら、この地域での人間生活にとって、

海は陸ほどには大きな影響力をもっていない。

近東の地形は実に多様である南イラクには湿原があるし、

ヨルダン、シリアには玄武岩砂漠、そしてイランには万年雪が残る山まである。

それぞれの環境には異なった植生が発達しており、

住んでいる人たちも土地ごとにさまざまな生活様式を採用している。

この地域で共通している地理的な様相というのは、ほとんどなく、

ただ一つ重要な点をあげれば夏に雨が降らないことくらいである。

さまざまな居住環境が近接しているわけで、

したがって、違った生活様式がお互いに接触を保つことにもなる。

このことが考え方を相互交換させ

古代の近東で技術・科学・社会が大いに発展した要因の一つだったのでないだろうか。

《地質》

かつて地殻は、ゴンドワナ、ローラシアという二つの大陸と海洋とによって形成されていた。

それが、2億年ほど前、分裂し始め反対方向に移動を開始した。

両大陸の間にはテーチス海が産まれ、厚い海成堆積物がたまることとなった。

両大陸は離れるにつれいくつかの小さな海洋「プレート」に分かれていった。

プレートは相互に移動し、現在近東の主要な地形的要案を形づくることとなった。

アラビアプレートがイランプレートの下に潜り込み押さえつけられた結果、

ぺルシア湾とティグリス、ユーフラテス川の流れるメソポタミア低地がつくりだされた。

この動きは一方で、メソポタミア北東部を平行に走る急峻なザグロス山脈を押しあげた、

トルコ民南部のタウルス山脈も同様で

アフリカプレートがトルコプレートの下に潜り込んだ際に形成された。

紅海はアラビアプレートとアフリカプレートの分離によって生じたものであるが、

これらのプレートはかつて古ゴンドワナ大陸の一部であった

アラビア・ヌビア地塊を構成していたものである。

アラビアプレートのこうした動きは北方でもおこり、

アカバ湾から北にアラバ涸谷、死海、ヨルダン渓谷がつらなる地溝帯をつくった。

こうしたプレート間の厳密な接点がどこなのかはまだわかっていない。

それらは複雑に入り組み構造的には弱い地形を形成している。

そのようなところでは地震や火山活動が活発で、

場所によっては玄武岩や黒曜石(火山ガラス)といった

火山成の岩石が広い地域をおおっていることがある。

近東の地表をおおう岩石のほとんどは堆積岩である。

それらには石灰岩のように海底で生成したものや、

砂岩や泥岩のように再堆積した浸食岩などがある。

堆積作用は現在も統いており、

その結果、たとえば、アラビア半島の大部分は砂丘におおわれているし、

河川流域や内陸盆地は山塊が侵食され、

河川で運ばれてきた沖積土で埋めつくされている。

アラビア半島の西瑞やシナイ半島、そしてイラン、トルコ山地の

一部の露頭のみが古い地形であって(貴重な鉱物を含む)火成岩が容易にえられる。

「メソポタミアの初期農耕牧畜民」
「ゴンドワナ、ローラシア」
「テーチス海」
「ティグリス、ユーフラテス」
「アラビア半島、シナイ半島」
「アカバ湾、アラバ涸谷、死海、ヨルダン渓谷」
「ザグロス山脈、タウルス山脈」
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