2012年2月13日月曜日

古代のメソポタミア:近東の考古学(1)



 『出典』図説世界文化地理大百科:古代のメソポタミア・14~16頁
     マイケル・ローフ著・松谷敏雄監訳
     朝倉書店
 《古代のメソポタミア:近東の考古学
 《古代のメソポタミア:近東の考古学
 古代のメソポタミア:近東の考古学

 《近東の考古学

 古代の近東に関する私たちの知識は、

 そのほとんどがここ数年ほどの間の考古学調査によってえられたものである。

 今世紀の考古学者が関心を寄せていたのは、

 主として、ヨーロッパの博物館に展示するための骨董品を発見することだった。

 その後、考古学は、

 何年もの専門的かつ学術的な訓練をするような一つのサイエンスへと成艮した。

 発掘法や記録術も十分に工夫され、最大限の情報を引き出すことができようになっている。

 しかし,想像や運というものが関与する部分もある。

 考古学遺跡の発掘というのは複雑な作業であって、多くの専門家の協力を必要とする。

 調査全体を指揮する団長のほか、発掘の見回りや記録を担当する考古学者、

 みつかった建物の図面をつくる測量係、図面係、遺物の記録をする登録係、

 もろい遺物や壊れた遺物を固めたり修復したりりする保存係などが必要だろう。

 発掘では、文字どおり何十万という土器片やフリント片、動物骨などを

 調べたり記録したりしなければらないのがふつうだ。

 土壌の専門家、金属の専門家、化学地質学者、コンビューター・プログラマー、

 統計学者なども、考古学者の手助けをするようになりつつある。

 遺跡を発掘するだけでなく、考古学者は周辺一帯の自然環境復元も試みる。

 また、概観調査、つまり、

 一定地城内で地表に現れている古代文化の痕跡を記録していく調査も行う。

 それは.その地域の集落史を明らかにしたり、

 後で発掘するための遺跡を選定したりするのに有効である。

 考古学者がもっとも関心を寄せていることのーつは、

 みつけた事物の年代を決めることである。

 さまざまな堆積をていねいに調べれば、堆積の順序を明らかにすることができる。

 また、一つの地域で用いられている道具の形は、時間とともに変化を遂げていく。

 したがって、それらを年代順に並べておけば、

 その遺物がみつかった遺跡や地層の年代を決めることができる。

 近来においては、彩文土器が過去の文化を研究するための時間的な枠組みを提供してくれる。

 また、場合によっては、日食・月食などの天文現象に言及した

 歴史文書によって年代を求めることもできる。

 一方では、年輪年代法や放射性炭素年代測定法によって、

 遺物の年代をみつけもることもできる。

 メソボタミア考古学のもっとも特徴的な点のーつは、

 古文書、とくに生の粘土板に書いた文書が豊富にあることである。

 近東ではこれまでに約50万点の楔形文書が発見されており、

 その多くが未発表のままである。

 また、地中に埋もれているものはさらに多いはずである。

 考古学調査にはお金がかかるため、

 最高水準の調査をするのに十分な予算をもった調査団は少ない。

 一方、近東で今日行われている急速な農業面・工業面での開発も問題である。

 すなわち,毎年、何百という古代遺跡が破壊されているのである。

 近東諸国の政府のなかには、この問題を認知し、

 川に大形ダムを建設する際に行う大がかりな事前調査に

 資金を提供しているところもある。

 しかし、年々 、ますます多くの古代遺跡が破壊されており、

 その痕跡は永久に失われている。

 最新の考古学的発掘の方法
 「図説世界文化地理大百科:古代のメソポタミア」
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 「シュメル-人類最古の文明:『小林登志子』中公新書」

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