2012年2月14日火曜日

古代のメソポタミア:近東の考古学(2)



『出典』図説世界文化地理大百科:古代のメソポタミア・14~16頁
マイケル・ローフ著・松谷敏雄監訳
朝倉書店

古代のメソポタミア:近東の考古学
古代のメソポタミア:近東の考古学
古代のメソポタミア:近東の考古学

「写真」テル・マルディフでの発堀風景

写真中央には石の土台の上に並ぶ日千しレンガの壁がみえる。

この壁の右端は大きな穴で壊されている。

発掘区の端に何本かみえる分厚い黒い線として現れているのが、その穴である。


理想をいえば、遣跡では古い層に取り組む前に、

もっとも新しい層から順にはぎ取っていかねばならない。

しかし、このやり方は時間がかかるし、難しいし、費用もかかる。

よりコストが少なくてすむやり方は、すばやく掘り下げて、

その後で発掘区の壁を検討し、何を発掘したのかを調べることである。

「写真」北シリアのテル・フエラ

えられるデータを最大限に活用するために発掘にあたっての綿密な計画が必要である。

今日の考古学者は非常に明確な目的をもっており、

明らかにしようとしている問題も具体的である。

発掘区の場所を設定するのにも、調査団メンバーの間で十分に議論を交わす。

しかし、地面の下はみえないわけだから、結果は予測できないことが多い。

「写真」テル・マルディフ(古代名エブラ)

小形ピックとブラシを使って、シリア人作業員が土器片を取リ上げているところ。

土器片は黒のゴムバケツに入れている。

土器は後で洗って調べ、記録をとる。

個々の土器の出土位置に注目することによって、

異なった土器型式間の年代関係について細かい見通しをえることができる。

「写真」

炭化した植物種子を回収するもっとも簡単な方法は、

掘りあげた土を水の入った大きな入れ物に入れて、かきまぜることである。

そうすると、炭化種子は浮き上がってくる。

それを何種類かの大きさの違うフルイですくい、乾燥させる。

その後で分類・同定を行う。

「写真」

フルイをかけるのは、遺物を傷らないように集めるためで、

これは後の定量的研究のためには欠かせない手統きである。

さらさらの土ならば、乾燥したままでフルイがけできる。

しかし、固まった土は水で溶かしてからやったほうがよい。

フルイをかけるのは一部の土のみである。

「写真」
ヨルダン砂漠のある遺跡で、考古学者が遺物を採集して位置を図面に記録しているところ。

辺境地城には、遊牧民の短期的な野営地、フリント石器製作跡、

あるいは石器だけを残して他は風で完全に侵食されてしまった遺跡などみつけにくい遺跡が多い。

「写真」ヨルダン、アイン・ガザル遺跡

遺跡から出土した一連の人物土偶の土を取りき固めているところ。

無土器新石器時代(前7000 年頃)のものである。

これらは葦を芯にして粘上でつくったもので、非常にもろかったため、

一括して取リ上げ、研究室に運びこまれた。

そこで、ていねいに洗浄し、

保存のために化学的凝固剤をしみこませる作業が行われた。

「フリント石器」

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